Saturday, June 17, 2006

朝のリレー

カムチャッカの若者が
きりんの夢を見ているとき
メキシコの娘は
朝もやの中でバスを待っている
ニューヨークの少女が
ほほえみながら寝がえりをうつとき
ローマの少年は
柱頭を染める朝陽にウインクする
この地球では
いつもどこかで朝がはじまっている

ぼくらは朝をリレーするのだ
経度から経度へと
そうしていわば交替で地球を守る

眠る前のひととき耳をすますと
どこか遠くで目覚まし時計のベルが鳴ってる
それはあなたの送った朝を
誰かがしっかりと受けとめた証拠なのだ

『朝のリレー 』 
谷川俊太郎

実家からハガキが届いた。
『朝のリレー』の絵ハガキだった。

ここバンクーバーと日本の時差は17時間。

今はこちらの時刻で6/16の15:30、日本は6/17の朝7:30、
あたしは日本から送られた朝を、17時間後に受けとめるんだなと、
しみじみ実感。

子供の頃に読んだ時よりも、
地球のスケールの大きさを身を以て感じるのは、
はるばる海を越えてここに来ているからかしら。

【今日のひとこと】
Have you read this?
これを読んだことがありますか?

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2 comments:

Anonymous said...

これ音読してもリズムが良くていい詩だよね。

私のおすすめは福音館書店からでてる「よあけ」という絵本。アメリカかヨーロッパの人
が描いた絵本なんだけど、実は中国の漢詩に
インスピレーションを受けて作ったんだって。

いつも朝バタバタ過ごしてしまうけど、早起き
してのんびりと1日の始まりを楽しめるように
なれればいいのだけど…。無理。

カナダの朝はどんな感じ?

Maple Panda said...

『よあけ』、ネットでちょっと調べたら、アメリカ人の作家さんらしいね。ということはこっちでも探せるかな?
でも絵本って、絵が違うと全く印象が違ったりするよねぇ。
とにかく、帰国したら真っ先に読みたい絵本になりました、謝謝☆

カナダの朝は、最近はオートミール粥とコーヒーと共に、割とゆったり過ごしてます。
でも学校が8時半からだから、毎日早起き!